『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』と、苦言という手段が封じられた異常な「引きこもり支援業界」

上記の投稿タイトルは、普通に読めば何かのパロディだとは全く想像もつかないでしょうが、
実は『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』(小学館ガガガ文庫。第6回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作)という、ライトノベル作品名を由来としたパロディです。
大賞受賞作という事でアニメ化もされました(ただし、作品名に反して下ネタ発言が非常に多い為、子どもが見ないように深夜帯での放映でしたが)。

小説の舞台は、行き過ぎた監視社会が到来した近未来。
公序良俗の健全育成に関する法律」が制定され、行き過ぎた法整備と、その徹底遵守により、世界一の健全な風紀を手に入れた「キレイな国・日本」。
全国民に、超小型コンピュータ端末の装着が義務付けられ、発言内容を検閲するために首に装着するタイプ=首輪型と、手の動きを検閲する為に手首に装着するタイプ=腕輪と言うよりは役割的には手錠型、さらには「エイチ禁止法」施行のために股間に装着するパンツ型(貞操帯)まで義務化されようとしている社会(科学技術が高度に発達した未来社会なので、不妊に悩まされる事はないかもしれないが、妊娠に際しての性交や、体外受精に際しての射精も不要になっていると思われる)。
発言内容は全て検閲される為、人々は代替単語の使用を余儀なくされ、例えば男性器のことを「マツタケ」「キノコ」などと言い換え、手の動きも検閲されるためエッチな絵(いわゆるエロ漫画的なイラストにとどまらず、同性愛、フェティシズムなども)を描く事もできない社会。

公序良俗の健全育成」に名を借りた圧制であると感じた人々が「下ネタ・テロ」を起こす、というお話です(公衆の面前で「下ネタ」を連呼・絶叫するだけで「極めて危険なテロリスト」として扱われるため、誰も殺傷せずに「大規模テロ」を起こせる)。

作品が大賞を受賞したであろう本質は、テロ集団リーダーの以下のセリフにも凝縮されていると思われます。

「ろくに、○ンコも●ンコも 叫べない世の中で、心の底から笑えると思う?

前置きが長くなりましたが、上記のセリフに当てはめれば、

「引きこもり支援団体に苦言を呈せない世の中で、引きこもり支援の質的向上が図れると思いますか?」

・・・です。

こんな世の中では「引きこもりが、心の底から笑える日々」は到来しないと思います。※引きこもりの方で一定のコミュニケーション能力がある方は、優しいというか、サービス精神が意外にありますので、面白くない話でも笑い、相手に調子を合わせるので、「能力不足の支援者」は「支援効果が上がっている」と早合点して悦に入ります。

こう書くのは、NPO不登校情報センターが、2011年に続きまたもや「NPO不登校情報センターが気に入らない内容を書いたと目される人物の個人情報をネット上に公開暴露すると予告」している事が明らかに成ったからです。

はっきり言いまして、引きこもり支援業界は、支援団体側が利用者の「氏名、住所、年齢に留まらず、細かな引きこもりに至る経緯から、その後の経過まで詳細に把握する傾向」があります。お店で現金で買い物をしても顧客の「氏名、住所、年齢」が明かされる事がないのと大違いです。

加えて、支援団体の利用者は引きこもりである自分を恥ずかしいと感じているからこそ、外出を控える傾向があったりで、「これまで蓄積した個人情報をネットに公開してやる」という脅しや、それによる社会的抹殺が、いとも簡単に可能なため、ひきこもり支援団体は実に恐ろしい側面を持っている、諸刃の剣なのです。

このような事が可能なのは、何もNPO不登校情報センターに限った事ではなく、あらゆる引きこもり支援団体で可能です。
ですので、「団体名 口コミ」「団体名 評判」などでネット検索しても、多くの場合、良い評判しか書かれていない事態が発生しているものと思われます。
ネット上に書かれている「ひきこもり支援団体に関する良い評判」は、通常よりもさらにメディアリテラシーを強化した上で見ないと、あるいはアテにしないほうが良いかもしれません。

しかし、自分の目で確かめる為に、実際に通う場合は、個人情報の開示を請求されますので、仮に嫌な思いをしても、泣き寝入りする覚悟が必要と言わざるを得ないかもしれません。
どうしても泣き寝入りしたくないなら、通っている最中に「この団体は危ないかも」と思いつつ、次の場所を見つけられずに通わざるを得ないとしたら、ブラック企業パワハラモラハラ証拠集めの如く、スマホ等の録音機能を活用したり、毎日日記をつけたり等、臨戦態勢で通う必要があるでしょう。

これまで「福祉や、ひきこもり等の弱者支援に関わる人間に悪い人は居ない」という性善説を主柱として、ひきこもり支援業界は当事者や家族から「信頼」を得て、やってきたように思います。
しかし、老人ホーム、精神病院、障害者の作業所等での虐待、暴行が続けて報道され遅まきながら、社会の認識は変わろうとしています。

但し昔からこの3分野の弱者は事件・虐待の餌食になっており、1998年に放映された売れっ子脚本家によるドラマ「聖者の行進」は、知的障害者を社会貢献と称して雇用していた企業が障害者たちを虐待・暴行・強姦した「水戸事件」をモチーフとしています。この事件では「被害を受けた日時や状況を正確に証言出来る被害者が少ない」として、世間一般の認識よりも軽い刑罰が下され、判決に激高した原告障害者を支援する人々が被告よりも重い罪を受けるという、非常にやりきれない展開となりました。「正確に証言」するためにも、あらゆる支援団体に通う人は、とりあえず日記をつけることが推奨されます(特に何か問題に巻き込まれている、またはそう予見できる場合は「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」を意識して記録する事が大切です。


そして、不登校情報センターも取得している「NPO法人格」。
NPOというだけで良いイメージ・無条件に信頼できるイメージを持つ一般市民も多い事でしょうが、実は、東京都のホームページ内にあるNPO法人検索ページには、「平和ボケ教・性善説教の熱心な信者が震え上がる」恐ろしい言葉が載っています。


(注)
ここで掲げられている法人の活動に対して、行政がお墨付きを与えているわけではありません。
市民が行う自由な社会貢献活動は、行政による監督ではなく、市民によってチェックされることが望ましいという考えから、 NPO法では法人に情報公開を義務づけるとともに、縦覧・閲覧制度を取り入れています。
したがって、この法人制度は、所轄庁が「お墨付き」を与えるというものではなく、個々のNPO法人の信用は、 法人の活動実績、情報公開等により、自ら築き上げることになります。

つまり、「行政が団体をNPO法人として認めるのは性善説に基づいてであり、細かいことは市民が自分の目でチェックしてネ、市民活動というのはそういうものですヨ」という事になります。

※追記1
歯科医が末期がん治療、自作の薬剤投与 無資格行為で逮捕」(さらに共犯者と思われる指定暴力団員のNPO法人代表も逮捕)された事件について、国際弁護士の八代英輝氏はTBSの番組内で「NPO法人は設立が容易」ともコメントされています。

※追記2
不登校情報センター公式ブログ『引きこもり居場所便り』内の投稿
就職面接時に情報センターをどう説明するのか迷う」によると
就職面接で「(貴方が職歴として書いた)不登校情報センターとはどういう組織なのか」との問いに対して「不登校・ひきこもりを支援している団体です」と応えたものの面接官から理解されなかった、との記述がありますが、この発言内容は、不登校情報センターのNPO設立申請時および設立後のNPO情報の「目的」欄に書かれている内容を短縮したものです。
http://megalodon.jp/2016-0313-1519-23/www.npo-hiroba.or.jp/search/zoom.php?pk=75955
【この法人は、不登校、引きこもり等対人関係に不安をもつ人と家族に対する相談、情報提供、仕事起こしなどの支援を行い、また一般市民への不登校・引きこもりの意味、支援活動の必要性などの理解を広げる活動をすることにより、不登校、引きこもり等対人関係に不安をもつ人が、社会の一員として生活できるようにすることを目的とする。】

つまり、就職面接という一般社会の場では漠然として通用しない文言を提出しても、お役所からNPO設立は認可されるという事であり、NPO設立の容易さを物語っています。

都庁のホームページには「個々のNPO法人の信用は法人の活動実績、情報公開等により、自ら築き上げることになります」とありますが、残念ながら、これには良い方法と、悪い方法があります。

NPO法人の信用を築き上げる良い方法
お役所がアドバイスしている、上記に書いてある通りのことを実行する。
NPO法人の「信用を築き上げる」悪い方法
悪い評判が立たないよう、関わった者に対して「個人情報をネットに公開するぞ」等と脅して口封じをする。
残念ながら、必然的に利用者のデリケートな個人情報を握る引きこもり支援団体は、構造的に下段に書いた「悪い方法」が容易に実行できる環境が整っているのです。それを防ぐのは「性善説」という、非常に頼りなく強制力もない、個人(特に代表独裁の傾向が強い団体なら尚更)のさじ加減にのみ依存する、極めて脆弱な倫理コントロールの仕組みしか存在しないのが現状です。

私よりも人生経験・教養が豊かな方が「インターネットが普及し、情報の高速化・広域化の著しい現代では『おかしな事、いいかげんな事』ばかりしてる支援団体は市場淘汰されていくのでは」と仰っていましたが、「世間から差別偏見を受けかねないデリケートな利用者の個人情報を掌握し、利用者の生殺与奪を握る引きこもり支援業界」の場合、残念ながら、その市場淘汰は起きないのではないかと思います。もとより利用者を殺傷する刑事事件を起こしてさえも潰れない「支援」団体は複数あります。