不登校情報センターの人材「養成ではなく登録」バンク

松田武己理事長は「人材養成バンク」と表記しているが、それに参加した人からの証言を聞く限り、私には「人材『登録』バンク」にしか見えない。
なぜなら、不登校情報センターは企業と当事者の「仲介」しかしていなかったからだ。
要するに、人材の「養成」を行った形跡がない。
あるいは「引きこもりを雇って、弱者救済に協力しろ!」という企業側への「要請」で、「養成バング」を「要請バンク」とした誤表記だろうか?
なお、理事長松田氏は、公式ブログにおいて、人々を動かそうという投稿のときに用いられる口癖が「要請します」であり、それは「意識の高い自分達が民衆を上から指導する」という特定の政治的立場の人々と似ている。

本来であれば「人材養成バンク」とは、
企業側には「引きこもりの人は、これこれ・こういう傾向がありますが、どうか宜しくお願いします」と協力と理解を求め、
ひきこもり当事者側には、コミュニケーションを練習して人馴れしてもらい、自分に自信をつけて働けそうになってから社会へ出てもらう・・・という「両輪の活動」のはずである。
さらに就職後も、安定するまでは労使双方からの相談に乗ったりする必要がある。
それらのいずれも、不登校情報センターはしていなかった。
だから「人材養成バンク」ではなく「人材登録バンク」なのだ。

不登校情報センターの自称「人材養成バンク」は、態勢が脆弱な所詮「人材登録バンク」だったから、ひきこもり当事者は仕事が長続きせず、失敗・消滅したのではないか。

自称の紛い物ではなく、真の「人材養成バンク」は社会を変える力になる。
供給される「誠実な労働者」は企業から好評を博し、協力企業も増えていき、マスコミにも取り上げられたりすれば、ひきこもりの職歴なし人間を敬遠する日本の企業風土を変えられたかもしれない・・・のだが。

態勢が脆弱な「人材登録バンク」(自称・人材養成バンク)でも、「下手な鉄砲も数打てば当たる」ように、継続すれば少数ながら継続的に、社会復帰に手が届きそうな引きこもり当事者を救えたはずである。
ひきこもりの人は、コミュニケーション能力を回復しても、経歴等で引っかかり就職が困難だ。それを救う「社会への出口」が「人材登録バンク」である。それをなぜ閉ざしてしまったのだろうか?
そこからは、松田武己理事長の「自分が関心の無い事は一切したくない」という我侭な性癖、適当に思いつきで行動しているいい加減さ、ひきこもり当事者の人生を真剣に考えていないという人間的な冷たさが見て取れる。

支援の成果もろくに上げられず、挙句に複数の自殺者まで出している、うだつの上がらない不登校情報センターの現状の言い訳をする為に、「不登校情報センターで働けるようにしてほしい」と引きこもり当事者から言われた事を引き合いに出し、全てを引きこもり当事者の責任に転嫁するのは、無責任で卑怯な便法であり、支援者の風上にもおけない不誠実さである。